AERA「現代の肖像」を読んで

Facebookにもポストしたんですが、改めて残しておこうと思ったのでこちらにもあげておきます。今発売中のAERAを読んで思ったことを綴りました。
 
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現在発売中のAERA「現代の肖像」を読んで、元不登校児として読み取ったことー
 
SEALDs奥田愛基氏の現代の肖像を読んだ。
安保法案で揺れた今年、“若者”をメインに大きなムーブメントを起こした中心のひとである。“不登校”だった彼が、何万人もの人間を動かすようになったのかを紐解く読み物だ。
 
彼が安保法案特別公聴会でした「自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し、判断し、行動してください」という発言が気になっていた。特に、「孤独に思考し」の部分に。
世の中のキラキラしていない、泥々した部分を味わってきた人間のニオイがした。籠ることの苦しさを知っているひとだと思った。
 
学校に行かなきゃいけないとされる社会。行けるみんな、行けない自分。“学校”や“学生”という単語に守られなくなったとき、まだ遠かった社会と自分との距離が途端に近くなる。それは自分自身を問い詰める、孤独な作業だ。その環境の中で培われた考える力と、譲れない芯の部分。不登校を経験した人に時たま現れる、早熟感の元はこれなんだと思う。
 
文中では彼自身の言葉はあまり出てこなかったけれど、彼のまわりの人間から語られる彼の人となり、みたいな部分に、少しほっとした。世の中そんなに綺麗じゃない、けれど諦めることもない―そんな思いを感じた。
誰かの存在が自分が生きることのエールになることがある。ただ優しいだけでは救われない。もがき苦しんできたひとに、読んでほしい文章だった。
 

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