すごい映画を観た。

先週末、ひきこもり映画の上映会にお邪魔してきました。
 



 
―ドキュメンタリー映画「home」上映会―
 
映画学校に通っていた小林貴裕さんが、引きこもり歴7年の兄・博和さんを追ったドキュメンタリー映画。追った、というか、カメラを通して向き合った・・というのがきっと正しいのだと思います。
2001年に上映されて、当時話題になったそうですよ。
(検索すると当時の記事が、結構ヒットします。)
 
すごく、重苦しい映画でした。
 
家を出た父、
そんな父と暮らす、同じく家を出た弟、
暴力をふるう引きこもり兄、
うつ病の母、
 
そしてそんなhomeをどうにかしようとカメラを片手に戻ってきた弟。
 
潔癖症なお兄さん、母に当たり散らすお兄さん、そんなお兄さんを怖がるお母さん、怖くて家で寝れないと、車の中で寝ようとするお母さん・・・
 
映し出されたその家族の形は、
よその家のそれなんだけど、
どこか自分のhomeを映し出しているような気がして、
なんだかヒリヒリしました。
 
カメラという道具を盾とし、時に剣として使って、一度離れた実家・家族に踏み込んでいくことで、停滞していた家庭の中に、
触れ合いが、
関心が、
会話が生まれ、
そうすることで停滞していたものが流れ、家族の形が変わっていく。
 
この社会問題の根本的な部分を映し出しているような気がしたのです。
それは、誰も彼もがカメラを持ち込むことで救われるということではなくて。
大事なのは結局、『向き合うこと』『言葉を交わすこと』なのである。ということなんじゃないかなーと、思わせる映画でした。
 
精神科医の齋藤 環さんがこの映画に寄せていた言葉が印象的でした。
『癒しになる映画はたくさんあるけれど、この映画は“治療”を行った』(うろ覚えです)
観賞後、まさに・・・と思ったわけです。
 
 
いやー、
 
すごい映画を観た。
 
 
 
個人的には、弟にズケズケと自室に入られてもちょいドンッして追い出して、また来て押し倒して、でも終いに受け入れて・・・をできるお兄さんの理解力というか、寛容さというかが、すごいなーと思いました。もしこれが自分だったら・・・ガクブルと震える身体を抱えながら鑑賞。お兄様すごいです。(尊敬)
 
 
DVD化されていないのが非常に残念。
 
貴裕さん!是非DVD化してください!

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